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外耳(external ear)

●耳介


耳介は耳たぶの部分を除いて軟骨で出来ています。その働きは主に集音作用方向感をつかむ事です。
耳介は頭から飛び出しているため音を外耳道に集めることが出来、 耳が立っているために比較的後ろの音より前の音をよく拾うため方向をつかむことに役立っています。
耳介の集音効果は2000ヘルツ付近から始まり、もし耳介がなければ2000ヘルツ以上の周波数で10〜15デシベルの聴力の低下が起こると言われています。
●外耳道
外耳道は大人で約2.3センチから2.9センチくらいの筒状の管で、直径は約0.7センチで鉛筆くらいの太さになります。
外耳道は普通はまっすぐではなくS字型に曲がっていて、大人では少し上に向かってから前にいく様な感じになります。
入り口から約2/3までの軟骨部分には毛が生えたり耳垢腺や皮脂腺がありますが、残りの1/3は骨部外耳道と呼ばれ頭蓋骨の中に埋まっており、 表面に薄い皮膚があるだけです。
したがって、耳垢は耳の穴の奥には出来ませんのであまり深くまで耳掃除をすることは危険なだけになります。

◆外耳道共鳴と共鳴利得(オープンイヤゲイン)◆
外耳道は鼓膜で終わり、一端が閉じられた管の状態になっている為、音の共鳴作用があります。
外耳道に入ってきた音は、外耳道共鳴によって自然に強調されます。
個人差はありますが、ほとんどは2000ヘルツから3000ヘルツの間で起こり、平均では約2700ヘルツと言われています。 これは耳介と外耳道の共鳴が合わさった数字です。
●自然な外耳道共鳴
補聴器をはめると外耳道を密閉することになり、本来外耳道が持っている共鳴効果を消してしまうため、 通常の補聴器ではそれを考慮した調整が必要でしたが、現在のオープンタイプの補聴器やRICタイプの補聴器では、その意味において より自然な聞こえとなっています。